現在の住宅では、昔に比べて「左官工事」が少なくなってきています。
昔の家づくりでは、左官職人が活躍する場面がたくさんありました。
例えば、上棟後の土壁づくり。細い竹を格子状に組んだ「小舞(こまい)」に土をつけて壁をつくる、小舞土壁という仕事がありました。
屋根瓦を施工した後には、瓦の隙間などを漆喰で仕上げる仕事もあります。
さらに、お風呂やキッチンのタイル貼り、和室の塗り壁、玄関のタイルなど、家のさまざまな場所で左官職人の技術が使われていました。
住宅の変化とともに減ってきた左官工事
しかし、住宅のつくり方や使用される材料は大きく変化しています。
省エネ性能が求められるようになり、昔ながらの土壁を採用する住宅は少なくなりました。
屋根も瓦を使う住宅が以前より減り、お風呂はタイルを一枚一枚施工する浴室から、ユニットバスへ。
キッチンもタイル仕上げから、施工性の高いキッチンパネルが一般的になりました。
和室そのものが少なくなったことで、和室の塗り壁を施工する機会も減っています。
こうして住宅の工業化・省施工化が進む中で、左官職人が現場で行う仕事は少しずつ減ってきています。

それでも残っている左官職人の技術
一方で、左官工事そのものがなくなったわけではありません。
漆喰や珪藻土などの塗り壁を取り入れた注文住宅では、現在でも左官職人の技術が必要です。
左官工事は、材料を塗れば誰でも同じ仕上がりになるものではありません。
下地の状態を確認し、材料の乾き方や気温、湿度などを見ながら施工する。さらに、鏝(こて)の使い方によって壁の表情も変わります。
機械や既製品では再現しにくい、職人の経験と感覚が求められる仕事です。

昔の技術を知ることも、これからの家づくりにつながる
現在の住宅は、性能や施工性、コストなどさまざまな面で進化しています。
だからといって、昔の家づくりがすべて優れていたということでもありません。
大切なのは、昔の技術を知ったうえで、現在の家づくりに必要なものを考えることではないでしょうか。
愛知県・豊田市で注文住宅をつくる工務店として、私たちも現場で働く職人の技術を大切にしていきたいと考えています。
普段は完成すると見えなくなってしまう仕事にも、長い年月をかけて受け継がれてきた技術があります。
左官工事が少なくなっている今だからこそ、土壁や漆喰、タイルなど、昔の家づくりを支えてきた左官職人の仕事に目を向けてみるのも、家づくりを考える一つのきっかけになるかもしれません。

新築事業部 工務課 辻 貴信
お家の作りの現場監督やメンテナンス業務をさせて頂いております。
メンテナンスの知識を生かして、何か少しでも皆様のお役にたてれたらと思っております。
お家のことでお困りのことがございましたら、いつでもご連絡ください。